わたくしにできること

身の程知らずの、環境に恵まれたといふだけで此処まで来られたわたくし
は、其の事について恐怖を感じるやうになツた。

満足してゐる訳ではない。
此処で止まツてゐる訳にはゆかない。

とりあへず、自分に何が出来るか、手帖に書いて、
喫茶室でボンヤリしたりして、
薬湯にユツクリ入ツて、
煙草の匂いが染み附いてしまツた我が家を抹香のかほりで満たして、
カンヴアスに繪を描いて、

あゝ、洗濯をしやう。
買ひ物にゆこう。
可愛い服を。靴を。

其れと、本を山ほど。

近所の「すみれ美容室」にも行ツてみやう。
おかつぱを奇麗に切ツてくれさうぢやない？すみれチヤンのイメエヂだか
ら？笑。

わたくしネ、日本だけが好きな訳ぢやないのヨ。
そりやア、世界滅亡の時には日本が一番最後まで残るツて信じたいけれ
ど。

メクラチビゴミムシていふ可愛い名前の蟲もゐることだし、今後も頑張ツ
てゆかふと思ふ所存なのです。


毬子